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こをだにと
折とる袖に
且落ちて
露よりもろき
玉つばきかな

 
 

せめてこれ一つだけでもと折りとる、その端から袖におちてしまう。
ほんとうに露よりもろい椿であるよ。

                     出典:『柿園詠草』より


※作者の加納諸平が正覚院に墓参(父の夏目甕麿)に来た時、墓前に供する花がなかったので、そこに咲いていた玉つばきを折りとったら、はらりと散りこばれたという歌。


 
 

加納諸平(1806〜1857)

幕末の国学者、歌人。夏目甕麿の長男で、父から和歌を学んだ。18歳で和歌山の藩医の養子となって、本居太平に国学を学び、安政3年紀州藩の国学所教授、さらに総裁に就く。歌集に「柿園詠草」がある。



 

場所:寺本児童遊園地内

 

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