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かくのみに
     ありけるものを
    猪名川の
おくを深めて
     わが思へりける

 
 

今思えばこうなることになっているのだったのに、猪名川の沖が深いよいうに、心深く私は若く、美しいお前のことを思いつづけていたのだったよ。(それにしても何というやつれようであろう)


昔、壮士(若者)が婚礼後まもなく、駅使(はゆまづかい:駅馬をたまわって公式旅行をする使者)として遠くへ派遣され、数年後帰宅、妻のやつれ果てたさまを見て悲嘆にくれて詠んだ歌。
                      出典:『萬葉集』巻十六 三八〇四より



 
 

読み人しらず


 

場所:猪名川左岸堤防

 

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