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   志ら露を
たまにぬきとめ
をとめこか
かさしにまかふ
あきの萩ハら
 
     
  葉をおく白露をたまのように突き通していて、
まるで乙女たちの髪飾りと見まがうような、
そんな萩いっぱいの
秋のひろびろとした野原よ。
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萩の葉におく白露が玉のように美しく輝き、葉を緒として
露の玉を貫き通しているようだ。
そんな思いで「秋の萩原」を眺めていると、
髪飾りをした美しい乙女たちが
そこを通りすぎて行く姿が、ふと幻のように浮かんで来る。

            出典:『自筆短冊』より(柿衞文庫蔵)
 
   
中村良臣(17951850

江戸時代末期の国学者。播磨赤穂の藩士。和歌を好み、伊丹の村上潔夫に国学を学ぶ。伊丹の和歌界の発展に大きく貢献した。伊丹で没し、金剛院に墓がある。

 
  
  場所:昆陽池公園内


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