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  月はなし
雨にて
萩はしほれたり
(上島鬼貫)

かく山を
引ッ立てて咲く
しおに哉
(大高子葉)
 
     
  今夜は折あしく、さす月影もなく、
萩は雨に打たれて、ぐったりと生気を失って
しお(子葉)れていることだ。
            (上島鬼貫)

元禄14年(赤穂浪士討ち入りの前年)、
秋、鬼貫宅を訪れ引き留められて一泊した際の句

山を際立たせるようにしてその頂上に咲いているしおにー紫苑、
そのように、そびえ立つ伊丹俳壇の頂点として
他の草を圧しているしおにー鬼貫であるよ。
            (大高子葉)

            出典:どちらも『二ッの竹』(柿衞文庫より)
 
  上島鬼貫(16611738

江戸時代中期の俳人。伊丹の酒造家に生まれ、8歳で「来い来いといへど蛍が飛んで行く」と詠んだ。松江重頼や西山宗因を敬慕し,大坂へ出て修業。「誠のほかに俳諧なし」と悟り,芭蕉と前後して真の詩に開眼した点が評価される。

大高子葉(16721703

赤穂義士の一人、大高源吾。江戸時代中期の播磨赤穂藩主浅野長矩の家臣で、大石良雄の吉良邸討ち入りに加わり、のち切腹した。茶事に通じ、榎本其角とも親交があった。

 
  
  場所:伊丹駅前 三井住友銀行前


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