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  命あれば 昆陽の
     軒端の月もみつ
又いかならん 行末の空
     
  命があればこそ、こうして昆陽の宿の軒端の月もみることができたのだ。
これから先も、またどのような、思いがけない経験をするであろうか。

後醍醐天皇が都を出て、隠岐の島へ向かわれる途中、
元弘二年(1332)三月八日、「津の国昆陽の宿といふ所につかせ給て、
夕づく夜ほのかにをかしきながめおはします」時の御歌。

          出典:『増鏡』巻第十九「久米のさら山」より
 
  後醍醐天皇(1288~1339)

 第96代天皇。天皇親政・人材登用など政治の改革に努め、鎌倉幕府打倒を図ったが、正中の変・元弘の変に失敗、隠岐に流された。その後、脱出して建武の中興に成功したが、足利尊氏の謀反により2年余で新政府は倒れ、後村上天皇に譲位。和歌などにも造詣(ぞうけい)深く、「新千載和歌集」や「新後拾遺和歌集」にも御歌が見られる。
 
  
  場所:昆陽寺境内

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