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旧岡田家住宅・酒蔵

宮の前2丁目




旧岡田家住宅



酒搾り遺構

 
 旧岡田家住宅は江戸時代の伊丹郷町の中心部、旧米屋町に建っています。店舗は棟札「時延宝弐申寅載中呂吉辰」によって1674年(延宝2)に建てられたことが分かっています。 最初の所有者は松屋与兵衛で、1715年(正徳5)頃に店舗の北側に酒蔵を増築したと考えられています。その後、所有者が鹿島屋清右衛門、安藤由松と代わり、1900年(明治33)に 岡田家の所有となりました。
 現存する伊丹の町家としては最も古く、年代が確かな町家としては全国的にも少ない17世紀の貴重な建物といえます。
 酒蔵は江戸時代に酒造業で栄えた伊丹の代表的な酒蔵建築で、洗い場・釜屋・店 舗と共に一連の構えを残している点でも価値の高いものとして、1992 年(平成 4)1月21日に国の重要文化財に指定されました。
 阪神・淡路大震災で被害を受け、約4年の歳月をかけて解体修理を行い、現在は一般公開されています。

【店舗】
 店舗は切妻造・本瓦葺、起(むく)り屋根で、正面に厨子(つし)2階(中2階)、虫 籠窓(むしこまど)、太格子を見ることができます。店舗内部は東側の下店・土間と西 側の居室からなり、居室は表から店の間 (帳場)、中の間、次の間、奥の間があります。 店の間の天井は黒漆塗りで、土間の天井は2本の四間大梁を渡し、豪壮な小屋組を見せています。

【酒蔵】
 正面奥の酒蔵は 1715 年(正徳5)頃に増築されたと考えられます。 現存する伊丹市内最古の酒蔵と云われています。解体修理の際の発掘調査で酒蔵から3基の男柱遺構が見つかり、内1基を元に搾り場が復元されています。この装置は酒槽(さかふね)・男柱・ハネ棒・垂壺(たれつぼ)から構成されています。

【洗い場・釜屋】
 店舗と酒蔵の間に洗い場と釜屋があります。19 世紀初期に作られたようです。大きな釜で米を蒸し、小さい釜で湯を沸かしました。粘土製の竈は江戸時代のもので、レンガ製の竈は明治以降につくられ、1984 年(昭和 59)の廃業時まで使用されていました。






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