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法巌寺 中央二丁目 阪急伊丹駅北東へ四分



法厳寺

法厳寺のクスノキ

 浄土宗、迎接山(こうしょうざん)法巌寺は京都知恩院末寺です。寺伝によると元は昆陽寺の塔頭の1つで昆陽村にありましたが、1522年(大永2)西譽岌弁和尚(さいよきゅうべんおしょう)が開山となって、当地に移ったとあります。しかし1995年(平成7)に発見された1723年(享保8)の「本尊座光再興奉加牒」によると、荒木村重の要請により永禄年間(1558~1570)にこの地に移されたと記されています。したがって当地に移された時期は特定できませんが、事実上の開山は1599年(慶長4)に没した第2代岌誉上人であったようです。またいつ浄土宗に変わったかは定かではありません。
 1688年(貞享5)第8世潅誉上人(かんよしょうにん)のとき、焼失した本堂・庫裏が再建され300年以上護持されてきました。阪神・淡路大震災で大きな被害をうけて解体されましたが、1998年(平成10)には全面改築された新本堂が落成しました。本尊は快慶作と伝わる阿弥陀如来坐像です。
○ 大クス 本堂横にあるクスノキは2015年(平成27)の調査で、樹齢推定580年、幹周り6.45m、樹高28mであることがわかりました。1865年(元治2)に刊行された梶曲阜の『有岡古続語』によれば、「法巌寺の豫樟(クスノキ)はいつの頃植えしにや、稀有の大木也と、また大坂住吉大社の神木と山城八幡厄神堂の豫樟と併せて、近畿三大豫樟」と記された名木で、兵庫県の天然記念物に指定(昭和40年3月16日)されています。 
○ 層塔残欠 境内には梵語が刻まれた大きい方形の手水鉢があり、これは鎌倉時代中期に造られた層塔の基礎で、伊丹市内に現存する最古の石造物と見られています。 
○ 無縫塔 墓地には古い無縫塔があり、総高1mほどで岌譽和尚の墓碑で慶長4年の銘があります。一般に中世の無縫塔の遺品は少なく、特に在銘のものはまれで、全国的にみても数少ない貴重なものです。






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