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旧石橋家住宅

宮ノ前二丁目
※令和2年9月1日〜令和4年3月31日(予定)まで伊丹郷町館が休館しているため、その期間内部の見学はできません。






 
 旧石橋家住宅は江戸時代後期(18世紀中頃)に旧北少路村(現宮前通り)に建てられた町家(商家)の主屋部分を現在地に移築したものです。江戸時代後期の民家としては全国でも希少なもので、2001年(平成13)に兵庫県有形文化財に指定されました。
 旧石橋家の由来は定かではなく、幕末までは「古手屋」の屋号で紙を扱う商売を営んでいたと推察できます。明治に入り、紙、金物及び日用品の雑貨商を営む傍ら酒造業も手がけていました。 店舗部分にあたる主屋の正面は「厨子(つし)2階」の塗り込め軒裏と虫籠窓、出格子窓、中央の摺(す)り揚げ大戸、バッタリ床几(揚見世)と店の間などが設けられています。
 居室部分は、1階に中の間・仏間・座敷・台所の4間取を設けられています。2階の表側は「厨子2階」となっているが、居室側は軒を高くし本格的二階造りとなっています。これは、18世紀末頃から低い厨子2階が本格的な2階建てに構造自体が変化する町家の様子を見せています。
  江戸時代の町家は「土間」を通し「土間」に平行して居室を配するもの(通り土間型)と、前面にも「土間」を設け、「通り土間」と組み合わせL字型とし、居室は「通り土間」に平行して配するもの(前土間型)の2種類に大別できます。旧石橋家住宅は、後者にあたり、隣の旧岡田家住宅は前者にあたります。
 また、厨子2階には江戸時代に使用されていた生活用品などの出土物が展示されています。その中には、当時の生活風習のひとつである「胞衣壺(えなつぼ)」や「水琴窟(すいきんくつ)」がパネルで展示されています。  
    (出典:平成13年旧石橋家住宅保存工事報告書)






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