柏木古墳は阪急伊丹線の稲野−塚口駅間の西側に周囲を民家に囲まれた円墳状の塚地です。規模は直径38m、高さ6mで現在は全体が墓地となって一部が崩れ、墳頂部は平らに削り取られています。この古墳は御願塚古墳の南760mにあり、伊丹市南郊から尼崎市にかけて広がる猪名野古墳群の中に位置することから、以前より古墳と考えられていました。出土した埴輪から、古墳時代中期(5世紀中頃)の古墳であることが分かりました。墳丘の改変は著しいですが、猪名野古墳群の一基をなしていたものと考えられます。
なお、1995年(平成7)8月の発掘調査で、墳丘の外周とされていた部分より西側17mの地点で幅11m、 深さ40cm、外縁16.2mにわたる周濠が確認され、この古墳は直径55mの規模で、円墳とすれば兵庫県内最大級の規模です。
[参考] 猪名野古墳群 伊丹市・尼崎市域の猪名川右岸地域には、明治時代の仮製地形図によると20基ほどの塚が記されております。
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