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むぎわら音頭

 





 
 むぎわら音頭は正式には「摂州兵庫功徳盆踊り」といい、南野地区に伝わり、保存会により保存継承されている県指定の無形民俗文化財です。仏教の関係から発した盆踊りの系統に属するもので、僧行基が猪名野笹原を開発するときに、それに従事した労働者を慰安するために始めたとされています。
 むぎわら音頭は、やぐらを中心に左回りの踊りをしますが、その踊り方は多種多様で、テンポが速く、かなり複雑な振りになっています。腰を落としてバネをきかし、手首のつかいかたにもメリハリをつけ、活動的に踊るところは、念仏踊りの伝統が生きた踊り方といえるでしょう。通称となっている「むぎわら踊り」は麦の取り入れをしながら、盆の音頭を稽古するうちに、自然に生まれた踊り方だといわれています。その他、生活様式を取り入れた「餅つき」「網ひき」「手拭い流し」「角力取り」「かまきり」、「蛙とび」「小手がえし」等、その名のとおりの「曲踊り」という踊り方があります。

 一例として「一口音頭」の歌詞をあげてみましょう。
1. 一で高いのは 一の兵衛の墓よ 次に高いは 水堂の墓よ
  とんとひくいは 長洲の墓よ
2. チョロチョロ見えるは あれはどこや
  あれは大阪の安道寺町 紅屋五郎兵衛に よい子がござる
3. 茶びん頭にハエが三匹とまって とまりそこねて腰の骨ぺこぺこぬかした
  二度ととまろうまい 茶びんの頭  (以下略)

          ( 一の兵衛は伊丹市、水堂・長洲は尼崎市 )

 

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