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須佐男神社

御願塚3丁目




須佐男神社 本殿

 
 須佐男神社は旧御願塚村の氏神です。その由来は、奈良時代僧行基が猪名野笹原開墾を始めるにあたり、天照大神と須佐男命を当地御願塚の古墳の場所で斎き祭り、開墾の完遂を祈願されたことによっています。これより当地を御願塚と名付けられました。上社(北野山大神宮)、中社(須佐男神社)、下社(南神社)とありましたが、新幹線開通のため、1971年(昭和46)に中社は上社の隣地に豪華な鉄筋コンクリート建ての覆屋を建造して遷座しました。下社は県指定史跡である御願塚古墳にあります。
 本殿は木造一間社春日造で、正面の軒に唐破風を付け、屋根は柿葺で、建物全体が覆屋に納められており、1972年(昭和47)に市指定文化財になっています。小規模ですが木割が太く、細部は複雑で、向拝の組物も斗肘木を二重に重ね、軒下が賑やかになっています。覆屋に納まっていたため、保存が極めて良好で、木部の極彩色は大変美しく、1840年(天保11)に修復されているものの、建立当時の面影を残し、村の鎮守社の遺構として貴重なものです。建立年代は細部の形式手法などから見て、17世紀後半と推定されています。なお、境内には、能阿法師の「かり枕 ゐなのの原に 夢さめて かたふく月に しぎの立つ聲」(『新撰菟玖波集』より)の碑があります。





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