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カトマンズ(1400m)の
ヒマラヤザクラ(11月)

 
日本の春を代表する花、サクラは何処から来 たのでしょう。
最近の研究では、日本のサクラ の原種は、ネパールの標高1400〜2000mあたりに自生しているヒマラヤザクラであることが定説になっています。ところが、このヒマラヤザクラは、11月頃開花し冬でも緑の葉を落としません。もともと秋咲きだったサクラがなぜ日本では春咲きになったのでしょう。その理由はネパールと日本の気候の違いで説明されています。
ネパールの緯度は亜熱帯に属し、山岳地帯を除けば、1年を通して温度差は少なく、とても穏やかな気候です。これに対し日本は、1年の気温差が30度以上もあります。
温室育ちのネパールのサクラは中国、台湾、日本へと北上してゆく過程で厳しい気候を乗り切る手段として、冬場に葉を落として活動を止める「休眠」を獲得したと考えられます。
ネパールにも標高3000m以上の山岳地帯には春咲きのサクラが2種類存在します。 日本にもジュウガツザクラやフユザクラのように秋咲きのサクラがあります。これらは日本のサクラの先祖がえりと考えられます。ヒマラヤザクラは、現在日本各地に植えられていますが、大阪市立長居植物園にも数本あり ます。


 
 (山田 記)

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