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もともと神社建築は質素で簡素なのが特徴です。切妻、高床式、また屋根は草葺き(萱葺きなど)を基本とします。

      (建築様式)


古来の神社建築様式の代表的な3例が神明造、住吉造、大社造です。

神明造(しんめいづくり)


切妻平入りで奥行より幅が大きく、弥生時代の高床式倉庫が発展した形状です。屋根(破風)に反りがなく、直線的な外観が特徴です。伊勢神宮本殿の様式。


住吉造(すみよしづくり)


切妻、妻入りで屋根(破風)に反りがない。内部が内陣と外陣に分かれている。大阪市住吉大社本殿が代表的建築です。


大社造(たいしゃづくり)


高床、切妻、妻入りで屋根(破風)に曲線的で優美な反りがある。この点で直線的な神明造、住吉造と異なります。入口は妻の右側にあり、内部は四つに分かれ、神座はいちばん奥にあります。





これら古来の神社建築様式から仏教の影響を受けて発展した様式として、春日造・流造があります。

春日造(かすがづくり)


切妻、妻入りで妻入の母屋前方に庇(ひさし)を延ばして向拝とし、屋根に反りをつけているのが特徴です。屋根の反り、彩色など、寺院建築の影響を受けています。
奈良春日大社の様式で近畿地方に多く、猪名野神社も春日造です。住吉造と春日造の主な相違点ですが、住吉造は掘立柱(地面に直接建てた柱)ですが、春日造は敷き土台の上に柱が建ちます。

流造(ながれづくり)


神明造りから発達した形式です。屋根は前のほうが長くのびて向拝(正面のひさし)をおおい、母屋の屋根と向拝の屋根が一連のなだらかな曲線を描くようにしているのが特色です。現在の神社形式の大多数は流造であるといわれています。代表的なのが京都の賀茂御祖神社本殿です。
 
 (松田 記)

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