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 市役所北側(国道 171 号線側)広場はクスノキが茂り、石造りのモニュメントや噴水があって、ゆったりとした景観を形成している。その広場の東側にひっそりと2基の電動式水門があるのを御存じですか。
 周囲の様子と場違いで、なぜこんなところに水門があるのかと、最初私は奇異に感じた。周囲を探ってみると、国道向かい浄水場東側の水路が国道と 171号線を暗渠で横断、広場を通って左に折れ博物館東側の今池につながっている。暗渠は今池埋立て時に、灌漑用に残された。現在の今池への排水を確保するために設置されたのだろう。
 水門は暗渠内で分岐している灌漑用水路への送水調整のために設けられたらしい。しかし水門が設置されてから既に四十余年、この間、周囲の宅地化が進み、灌漑用水の需要も減少したので役割を終えた。
 市役所に聞くと現在、水門は稼働していないとのこと。千僧土地改良区が昭和44年に千僧公民館・天神社・安楽院・西善寺の4か所に建てた同じ文面の記念碑がある。
 “水鳥の羽音高く今池は消ゆ”として、同改良区が今池の1万1千坪を4億5千万円で市に譲渡割愛し、その一部を上記4カ所に寄附したことをしるしている。

 (松田 記





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